お知らせ(2007年11月)

「かぐや」は、初期機能確認の一環として月磁場観測装置(LMAG)および月レーダサウンダー(LRS)の自然電波観測モードによる観測を実施しました。
その結果、月磁場観測装置(LMAG)は月の磁場を計測するために十分な精度を持っていること、月レーダサウンダー(LRS)は、表層から地下数kmにわたる表層構造の探査が可能であり、また、木星等の惑星電波観測が可能であることを確認しました。
観測ミッション:月磁場観測装置(LMAG)月レーダサウンダー(LRS)


11月3日(日本時間)に実施した地形カメラ(TC)の前方視、後方視のステレオペアによる観測データを用いた立体視処理が正常に行えることを確認しました。月の極域を含む地域の10mの空間分解能での立体視動画を作成し、公開するのは世界で初めてのことです。
あわせて、地形カメラの立体視画像からのアナグリフ画像(注)および動画の作成を実施しました。
観測ミッション:地形カメラ(TC)

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(注) アナグリフ画像とは、赤青メガネを利用することで鑑賞できる立体画像のことです。
動画(解像度:480X270ピクセル)


11月3日(日本時間)、初期機能確認の一環として地形カメラ(TC)およびマルチバンドイメージャ(MI)の観測を実施し、その後のデータ処理を経て、これらの観測機器で正常に観測ができていることを確認しました。
月の裏側や極域での地形カメラによる10mの空間分解能での月の立体視観測および、マルチバンドイメージャによる20mの空間分解能での複数のバンドによる観測は世界で初めてのことです。
観測ミッション:地形カメラ(TC)、マルチバンドイメージャ(MI)

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11月7日(日本時間)、「かぐや(SELENE)」に搭載されたハイビジョンカメラ(HDTV)により、世界で初めて「地球の出」の動画撮影を行いました。
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「地球の出」という表現を使っていますが、「かぐや(SELENE)」やアポロ宇宙船など、月のまわりを回る衛星で見られる現象です。
月面上の定点から見た場合、地球はほぼ同位置に見えるため、地球が地平線から上るように見ることはできません。
HDTVによる「地球の出」(動画切り出し)HDTVによる「地球の出」(動画切り出し)
HDTVによる「地球の入り」(動画切り出し)HDTVによる「地球の入り」(動画切り出し)


11月6日(日本時間)、機能確認の一環として月の裏側の重力場の直接観測(4ウェイドップラー)試験を実施し、正常に観測ができることを確認しました。月の裏側の重力場の直接観測は世界で初めてのことです。
観測ミッション:子衛星を使った月重力場探査(RSAT)

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10月31日(日本時間)、「かぐや(SELENE)」に搭載されたハイビジョンカメラ(HDTV)によって世界で初めて、月面のハイビジョン撮影を行いました。
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北極付近HDTVで撮影した北極付近の画像(動画切り出し)
「嵐の大洋」の西側HDTVで撮影した「嵐の大洋」の西側(動画切り出し)