「かぐや」には、月の起源と進化の研究や、月の利用の可能性の調査に大きな威力を発揮する、TC・MI・SPという3つの光学機器が搭載されています。
TC | MI | SP | |
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空間分解能@100 km Spatial resolution |
10m | VIS: 20 m、NIR 62m | 562×400 m |
視野 Field of view |
Full mode:22.4° Nominal mode:19.3° Half mode:9.65° |
VIS:11°(19.3km) NIR:11.2°(19.6km) |
0.23° |
分光方式 Spectroscopic method |
バンドパスフィルタ Bandpass filter |
バンドパスフィルタ Bandpass filter |
回折格子 Diffraction grating |
バンド数 Number of bands |
2(立体視) Stereo |
VIS:5 NIR:4 | 296 |
波長幅 Band width |
420 nm | 10-50 nm | 6-8 nm |
波長域 Wavelength |
0.43-0.85μm | VIS: 0.415、0.75、0.9 0.95、1.0μm NIR: 1.0、1.05、1.25, 1.55μm |
VIS: 0.52-0.96 μm NIR1: 0.9-1.7μm NIR2: 1.7-2.6μm |
TCとMIはプッシュブルーム方式により月面の連続撮像を行います。TCは立体視を行うために、1次元センサを付けた2つのカメラをそれぞれ斜め前方と斜め後方に向けています。MIは異なる9つの波長で月面を撮影するために、フィルタを貼った2種類の2次元検出器をつけたカメラ2つを直下視方向に向けています。 SPは衛星直下の月面を観測する分光計で、回折格子を用いて月面からの光を296個の波長に分割します。
これらにより、初めて月全球の詳細な地形および地質/鉱物分布データを取得します。これによって、特に興味深い場所(例えば、大クレータの底から突き出た中央丘という傾斜地など)において、これまでわからなかった岩石分布を精度よく求めることができます。
LISMはこれまでの衛星で得られたデータに比べ、以下の点で優れています。
春山 純一
Jun'ichi Haruyama
宇宙航空研究開発機構
宇宙科学研究本部
固体惑星科学研究系
地形カメラがとらえた「ナガオカクレータ」の画像公開にあたって
大竹 真紀子
Makiko Ohtake
宇宙航空研究開発機構
宇宙科学研究本部
固体惑星科学研究系
松永 恒雄
Tuneo Matunaga
独立行政法人国立環境研究所
地球環境研究センター
地球環境データベース推進室